2022.09.12

化粧品に使用されるリポソームとは?

近年化粧品によく利用されているリポソーム。一般的に肌なじみがよく、浸透性があり、内包物の徐放性(DDS)など様々な効果が謳われています。

このコラムでは「リポソーム」を何となく知っているけどもっと詳しく知りたい、さらにリポソームを使用して処方開発を行いたいという方向けに、リポソームについて構造や効果さらに処方技術について解説します。

リポソームの定義と役割

リポソームは、リン脂質の二重膜または単層膜構造を持つ球状のカプセルです。

リン脂質は1つの分子に“油になじむ部分”と“水になじむ部分”を併せ持ち、水中では同じ部分同士が集まって膜状の構造(ミセル)を作ります。

この構造のおかげで、可溶化剤を使用しなくても水系製剤に油を安定して配合出来ます。

 

元々は栄養素や医薬品などで有効成分を体内に送る輸送手段として開発されました。一般的な化粧品原材料では難しい、水溶性の有効成分を肌の角質間のラメラ構造体に運ぶことも可能なことから、現在では化粧品にも使用されています。

 

リポソームの主成分と構造

リポソームの主な構成成分は、人の細胞膜と同じ分子の「リン脂質組成物」です。リン脂質は「水にも油にもなじみやすい」という特殊な品質特性を持つ分子です。ひとつの分子の中に「親水基」と「親油基」をあわせもつ両親媒性分子で、この2つが向かい合って、さらに何層にも重なり合って構成されています。

 

リポソームの化粧品効果

主に以下のような2つの効果があります

ラメラ構造を形成することで、乾燥肌よる肌荒れを防ぐ

リポソームは肌の角質層の細胞間脂質のラメラ構造と同じで、水と油が混ざり合った膜のような状態になっており、肌のラメラ構造を補修する効果があるといわれています。

肌のラメラ構造はバリアの機能を果たしていて、体の中に異物が簡単に入り込まない構造となっています。多くの毒物や細菌は触るだけでは害がないのも、このラメラ構造体のおかげといわれており、肌荒れは主に肌のバリア機能が失われたことによることが大きいのです。

 

美容成分を通常では届きにくい肌の角質層まで届ける

コラーゲン、ヒアルロン酸、ビタミンCなどの美容成分を角質層の深いところまで届けます。リポソームは細胞膜と同じ、水となじむ分子と油となじむ分子が何層にも重なりあった状態で構成されているため、少しずつ層がめくれていくように壊れ、段階的に肌の深部へ有効成分を浸透させることができるといわれています。

 

リポソームの製造方法は?

リポソームはナノカプセルより製造は難易度が高く、設備機械・処方技術によるところがあります。濃度の高いリポソームを製造する手段の一つとして、高圧乳化設備などの機械力により細かい粒子にする必要があります。

一方で、処方技術により微粒化する手段としては、親水性界面活性剤を用いる方法が一般的になります。

 

単にリポソームの粒子径を小さくすると、リポソーム粒子を不安定化させたり、内水相容積の減少を引き起こし、リポソームとして十分に機能を果たさないということが発生します。膜補助成分等を使用することで微細でかつ内水相容積の大きなリポソームを製造することができるのです。

 

処方開発が難しい場合は。。。

自社で高品質なリポソーム化粧品を開発しようとする場合、可溶化などの処方技術を持っている研究員がいないとなかなか難しいかもしれません。

 

化粧品の処方を提供してもらうことで、簡単に処方開発を行うことが出来ます。JC皮膚科学研究所でも高濃度リポソーム原液やそれを使用した化粧品の処方を提供しております。少しでもご興味、ご関心を持っていただいた方は、下記リンクで当社が提供しているリポソーム製品を紹介しておりますので、ご覧ください。

 

リポソーム製品についての詳細

>>Retisome™ SQ green EX

 

リポソーム原液を使用した化粧品処方例

>>レチソームSQ化粧水

>>レチソームSQ化粧水 濃厚タイプ

>>レチソームSQオールインワンジェル

>>レチソームSQボディセラム